浮 世
 
浮き世はみんな浮わついているから
浮き世というじゃない、
どんなに愛した中なれど、
浮き世はやはり、流れ雲、
風のゆくまま、気の行くまま、
古希になったら、再出発、
 
自己中心でいきるのも、
思いを変えて生きるのも、
まんねり人生、活をいれ、
 
昔はいったよ、
老いては子に従え、
したがうにしても、
むかしの子供が何処にいる
 
今云ってるよ、
老いたら、介護保険があるじゃない
産業にした愛の手が
どうして老人癒せよう、
 
世の中、亭主は云っている
家族の為に、子供の為に働いた、
定年退職、これからは、ゆっくり、自分中心に
生きよう、ああ、やれやれと云う旦那
朝飯食って、昼にめし、夜になつたら、飯まだか?
 
世の中、奥方は云っている
旦那の為に、子供の為に働いた、
旦那が家にいるのなら、私も自分中心に
いきよう、と思うけど、旦那がいるから
三度の飯も、二食まで、作ってよ、ねえ、あなた、
 
そちらを立てれば、
こちらが立たぬ、
いっそ、離婚と云う家庭、
このまま、旦那の死ぬまで待とうと云う、
けなげな、糟糠の妻
 
人生、わずか50年、
云ってた時が花なのよ、
人生、なんと100年、
こんなになって、狂い咲
 
昔は夫唱婦随だったけど
婦唱夫随とこう書くの
知らないなんて、云わせぬよ
 
 
世の中をじっと見回して、
つぶやく伊知郎の、独り言
うなずく人に、考える人
なんにもなくて、これ幸い
 
 
伊知郎